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備忘録

Inside out/ Keith Jarrett, Gary peacock, Jack Dejohnette

ちょっと気分転換に。。。
以下は、Amazonからの引用。

内容(「CDジャーナル」データベースより)
ピアノ・トリオの最高峰、キース・ジャレット・トリオによる完全即興演奏集。2000年夏の欧州ツアーのライヴのロンドンでの最終公演からベスト・テイクをチョイスした内容。

内容 (「CDジャーナル・レビュー」より)
スタンダーズとして発足し、文字通りスタンダード曲を素材に未曾有のピアノ・トリオ美学を築きあげてきたトリオに、初めて一つの転機が訪れたような気がする。それは舞いこんできたのではなく、ミュージシャン自身の心情が呼びこんだ結果でもあろう。キースが提案した申し出をピーコックとディジョネットが受け入れて実現した新趣向、すなわち全編がフリー・インプロヴィゼーションによる構成の作品である。新趣向とはいっても、83年に発足したときの初吹込み群の一つ『チェンジズ』で、また4年後の『チェンジレス』でもフリーな即興演奏を試みたトリオにしてみれば、未知の領域に踏みこんだわけではないかもしれない。思えば、三者の演奏が初めて記録されたピーコックの『テイルズ・オブ・アナザー』(77年)から数えたら、トリオの歴史ははや25年に達しようとしているのだ。「インプロヴァイズド・ミュージックにとって最も重要な時期はビ・バップと60年代のアヴァンギャルドの時代だ」と語ったことがあるキースが、より現代にふさわしいバップを確立するために不可欠な知と重く受けとめたフリーに再着手し、それを通してバップ再興のこれまでの運動が正当であったか否かを確かめようとした、と考えてもおかしくはない。あの発言からもう十数年。既成の曲とは違う素材で自由に即興演奏する大胆な試みを、ソロではなくトリオで全面展開する時機がついに到来した。
期待は裏切られなかった。フリーとはいっても無から有を生む類の過激なものではないが、ソロと違ってトリオではフリーな交感が一筋縄ではいかないのはいうまでもない。しかし結果は、このトリオが17年余の間にいかに信じがたいレベルの熟成を獲得していたかを示すものとなった。形式から解放された喜びの頂きに達しているときのキースの音楽が、しばしばオーネット・コールマンのそれと共振しあう場面とも久しぶりに出会って楽しかった。完璧に洗練されたスタンダーズの様式美を逆説的に示しており、タイトルがそれを象徴する。アンコールがそのスタンダード曲。心地よい解放感にしばし酔った。 (悠雅彦) --- 2001年10月号