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備忘録

週刊誌の内容をメモ。

日経ビジネス 2010.12.13号)

上釜健宏(TDK社長)
1)日本は大量生産大量販売のようなモノづくりが下手
∵設備投資の決断が遅く、タイミングを逃すから。
2)日本には、優れた製造装置メーカが多いので、多品種少量生産に向いている。
3)他社と同じことをやりたがるのも問題。違うことをしないと稼げないし勝てない。

4)磁気ヘッドで独走している勝因
他社とは違う独自技術で勝負してきたから。
逆に、他社と同じ技術で取り組んだときは、全て負け。
(例)薄幕ヘッド・・・10年間赤字垂れ流し。
MRヘッド・・・IBMから人を引き抜いて、IBMと違うことをしたら大成功した。
GMR・・・他社と同じ技術を使ったら、大したビジネスにならなかった。
⇒「他社と同じことをやっても絶対に勝てない」ことにようやく気付いた。
それ以降は、独自技術で作ることに決めた。現行の垂直磁気記録ヘッドまで全て勝ち続けた。
独自技術を貫くのはリスクがあるので、別の技術も用意しておく。が、リスクを取らないと、決して大きく稼ぐビジネスにならない。

他の勝因
開発生産体制にある。2000年に米社を買収してから、日米2拠点体制にした。
⇒両拠点が競うことで、他社よりも図抜けた性能と、高い信頼性のある磁気ヘッドの生産体制が確立できた。

社内では、新製品は3年ですべて切り替えろ、という。
常に、新しいものを提供し続けないと、韓国や中国などの新興企業に追いつかれてしまう。
できなければ、日本で作る意味はない。だから、リスクをとって攻める必要あり。
早くアクションを起こすことが大切。

野路國夫(コマツ社長)
・基幹部品の生産を日本に残せば、国内雇用も守れる。
・優秀な期間工を、正社員にした。将来を見越して先手を打った。
・基本部品以外は、現地調達。⇒協力企業に対して、一緒に海外に出るように働きかける。協力企業は現地企業と競争することで価格競争力が高まり、コマツに依存しなくてもよくなる。
・ITを駆使して、現地の実情に沿った独自の事業モデルを築いた。GPS。
・中国は個人事業者相手がメイン。割賦販売中心。信用に懸念ある。悪質な顧客には遠隔操作でエンジン停止。
・市場が成熟すると販売数量の伸びは鈍化。補うのはサービス。サービスを強化⇒製品のブランド力アップ⇒事業基盤が強化される。部品やサービスで如何に稼ぐか?
・製品が故障すると、顧客は純正品ではなく、安価な模造品を購入しがち。製品市場が成熟すると稼げなくなるので、電装品から消耗品までICタグをつけて遠隔監視。顧客が取り外したことを検知して、純正部品を売り込むタイミングをキャッチ。
保証期間を長くするなどして、純正部品のメリットを訴求。
・代理店経由での不具合報告が届かなくなったため、調査を指示。故障があると不買運動がインターネットであっという間に広がるから。
・現地工場ではブランド力維持のため、従業員の給料はその地域で上位に入るようにしている。
・政情不安を必要以上に心配しても仕方ない。日々の業務を粛々と進めるだけ。
・自動化無人化に必要な通信、ソフト技術の活用が課題。

・サービスの現場で蓄積された顧客情報は「宝の山」
エプソン:インクジェット式プリンタについて、インドネシアでは「外付けタンク式」を導入して、カートリッジ式をやめた。
カートリッジ式は、ユーザにとって高価になり、インドネシアの所得水準を考慮すれば「通用しないビジネスモデル」だから。

シャープ
・品質至上主義を捨てる:
日本製品は高品質だが高いだけ、というイメージを払しょくするため。韓国や中国メーカに水をあけられたから。
・従来の厳格な品質基準(シャープスタンダード)を見直して、地域ごとの特性にあった複数の「シャープスタンダード」を家電全般に適用している。
「ローカルフィット商品」とよび、品質を落として、低コスト化を図る。
部品数も減らすことで、構造をシンプルにすると、故障も減る。

日本モレックス:FGHP(Fine Grid Heat Pipe)・・・LEDやMPUなどから発生する熱を瞬時に拡散する。
日米で構造特許を取得 2008年には4件認可

<隆力奇>
日本ブランドの強み・・・信頼感
中国で販売する製品に、日本法人で開発したことを示すキャッチフレーズを使用。
「Innovated in Japan」