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備忘録

 ワイルド・ソウル/垣根涼介

年末年始を使ってようやく読了。久しぶりに読み応えのある小説を読んだ気がする。印象に残った一説は以下の通り。

「服を作るにあたって一番大事なことは何でしょう」
「想像力です。」その先生は言った。
「結果的に仕上がるだろう洋服の全体像を常に念頭に置きながら、作業をする力です。その全体像に合わせ、細部に微調整を加えてゆく能力です。それさえあれば、多少の不器用さや粗さは克服できます。」

(p380)

以下は、Amazonからの引用

内容(「BOOK」データベースより)
一九六一年、衛藤一家は希望を胸にアマゾンへ渡った。しかし、彼らがその大地に降り立った時、夢にまで見た楽園はどこにもなかった。戦後最大級の愚政“棄民政策”。その四十数年後、三人の男が東京にいた。衛藤の息子ケイ、松尾、山本―彼らの周到な計画は、テレビ局記者の貴子をも巻き込み、歴史の闇に葬られた過去の扉をこじ開けようとする。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
垣根涼介
1966年長崎県生まれ。筑波大学卒業。2000年「午前三時のルースター」(文春文庫)でサントリーミステリー大賞・読者賞をダブル受賞してデビュー。04年本作で大薮春彦賞、吉川英治文学新人賞日本推理作家協会賞、05年「君たちに明日はない」(新潮社)で山本周五郎賞を受賞。独自の人間観察眼と疾走感溢れる筆致で読者を魅了する、注目の作家である(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)